

現代アメリカを代表する指揮者の一人、マイケル・ティルソン・トーマスは、1995年以降、米国の老舗オーケストラであるサンフランシスコ交響楽団の音楽監督を務めてきた。その長きにわたる共同作業の中でマーラーの全交響曲を手掛けた彼らは、本作で、満を持して次の世代の作曲家の作品に取り組んでいる。20世紀初頭に活躍したウィーンの作曲家アルバン・ベルクの "Three Pieces for Orchestra, Opus 6 (1929 revision)" だ。鮮やかな色彩を放ち、緻密に構成された楽曲が、マエストロとオーケストラの細部にまでこだわりぬく美学をもって、スケール感豊かに奏でられている。ベルクや彼の師であるシェーンベルクらの音楽を愛する者にとって、聴き逃せない作品だ。
2017年6月30日 3トラック、21分 ℗ 2017 San Francisco Symphony