彼がピアノに触れると、まるで楽曲そのものが語り出したかのように、自然に音楽が空間に広がっていく。その卓越した技術も、豊かな表現力も、ピアニスト自身をアピールするためでなく、すべては作曲家が意図したものを描き出すために使われているのだ。Vadym Kholodenkoは1986年にウクライナで生まれた。2013年にはヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで第1位となり、世界各地で公演を行うようになる。このプレイリストでは、山田和樹が指揮する仙台フィルハーモニー管弦楽団との共演によるラフマニノフの名曲『パガニーニの主題による狂詩曲』をはじめとする、チャイコフスキー、スクリャービン、プロコフィエフらロシアの作曲家や、バッハ、ベートーヴェン、リストなどの作品で、Kholodenkoによる楽曲の本質を捉えた誠実なピアニズムをたっぷり味わえる。