クラシック音楽でおなじみの楽器であるチェロと、現代的なポップミュージックのエッセンスを、優れたスタジオ技術によって融合させ、独自のサウンドを生み出す溝口肇。東京藝術大学音楽学部器楽科チェロ専攻を卒業後、スタジオミュージシャンとして活動し、23歳の時に自らが起こした交通事故によるむち打ち損傷の苦しみから逃れるため、シンセサイザーで“眠るための音楽”を作曲する。1986年、その時に作ったオリジナル曲を中心としたアルバム『Halfinch Dessert』をリリースしてソロアーティストとしてのキャリアをスタートさせた。クラシックはもちろん、ポップ、ロック、ジャズ、ワールドミュージックなど、多彩なジャンルを取り入れた作品をリリースしているが、そのすべてに、"癒やし"や"安らぎ"という一貫したコンセプトが感じられる。また、その柔軟で創造性あふれる楽曲は、映像との親和性が高く、CM、テレビドラマ、映画、番組テーマ曲など、多くの作品を手掛けている。チェロという楽器の可能性を広げ、その魅力を多くの人々に広げた功績は計り知れない。