強音と弱音の間をスムーズに行き来する見事なコントロール。そして体からあふれ出すような圧倒的なリズム。それらが一体となったリュカ・ドゥバルグの演奏は、スピード感のある曲に対してはもちろん、ゆったりとしたテンポの曲にも、そして、バロック音楽にも20世紀の作曲家の手による楽曲にも、リスナーを引き付けてやまないスリリングなうねりをもたらす。1990年生まれの彼がピアノを学び始めたのは11歳と遅く、10代の終盤には一度ピアノを辞めてパリの大学で理学や文学を学んだ。その後ピアノに戻ったドゥバルグはエコールノルマル音楽院とパリ国立高等音楽院で研さんを積み、2015年のチャイコフスキー国際コンクールでモスクワ音楽批評家協会特別賞を受賞。ギドン・クレーメルやヴァレリー・ゲルギエフからその才能を高く評価された。このプレイリストでは、彼が特別な愛を注ぐスカルラッティから母国のラヴェルやメシアンまで、幅広い時代の名曲で、ドゥバルグの個性輝くピアニズムを堪能することができる。