リスナーの心を瞬時につかむ圧倒的な表現力を持つピアニスト、小林愛実。彼女は、その才能の片りんを10代に入る前から示していた。7歳にしてオーケストラとの共演を果たし、9歳からはカーネギーホールへの度重なる出演など、国際的な舞台での演奏活動を展開する。14歳の時に初のアルバムをリリースし、レコーディングアーティストとしてデビュー。翌年2011年にセカンドアルバムをリリースし、その後さらなる鍛錬を重ねて制作された2018年の3作目、2021年の4作目では、より多彩な表現力と卓越した技術を兼ね備えたトップレベルのピアニストとしての実力を提示している。そして2021年10月に開催された第18回ショパン国際ピアノコンクールでは見事4位に入賞した。このプレイリストでは、そんな小林の演奏が堪能できる楽曲を数々のアルバムからセレクト。ショパン「Fantaisie-Impromptu in C-Sharp Minor, Op. 66」(「幻想即興曲」)では情熱と冷静さの絶妙なバランスの中で音の遠近法とでもいうべき奥行きの深さでリスナーを魅了し、リストの「巡礼の年第2年「イタリア」S161 ペトラルカのソネット第123番」ではストーリーテラーとしての類いまれな才能を輝かせている。ベートーヴェンのピアノ曲の中でもとりわけ難易度が高いとされる『Piano Sonata No. 23 in F minor, Op. 57』(『熱情』)の「I. Allegro assai」では、常に透明感あふれる美しい音色を保ちながらダイナミックに響かせる高い演奏力が印象的だ。