1999年にダニエル・バレンボイムが文化の融合と平和の推進への願いを込めて創立したコスモポリタンなオーケストラ、ウェスト=イースタン・ディヴァン管弦楽団は、その目的を果たすため、リスナーの魂を揺さぶるような演奏をすることを強く心に刻んでいる。木管楽器と弦楽器のセクションの洗練された響きが特徴的なこの若きオーケストラは、冒険心あふれる演奏を聴かせてくれるだけでなく、高い芸術性に裏打ちされた豊かな表現力を随所で発揮する。その実力は、ベルリオーズの楽曲の見事な解釈や、ベートーヴェンの複雑なポリフォニーを照らし出す集中力の高さからも感じ取ることができるだろう。セビリアを拠点とするこのオーケストラは、バレンボイムの思いを伝えるべく世界各地で公演を行い、好評を博している。