ドイツやロシアの音楽を得意とし、卓越した美音と構成力から、ピアノの巨人と謳われたスヴャトスラフ・リヒテル。1915年にウクライナのジトミルに生まれた彼は、父がピアニスト兼オルガニストだったものの、ほぼ独学で基礎を習得。その後、モスクワ音楽院に入学し、名教師ゲンリヒ・ネイガウスに師事している。1942年にプロコフィエフのソナタ第6番の初演を務めて、華々しいモスクワ・デビューを飾った。1945年の全ソヴィエト音楽コンクールで優勝して以降、国際的にも活躍するようになり、1960年にはアメリカ・デビューを果たしている。生涯を通じて旺盛な活動を展開。演奏会や録音を一つの作品のようにまとめる至芸が魅力だった。