どこまでも清らかで、知性とエレガンスにあふれたピアニズムは、もちろんたゆまぬ鍛錬によるものだが、ピアニスト自身のたたずまいや人間性を象徴しているようにも感じられる。つまり、ここにあるのは虚飾のない真摯(しんし)な音楽なのだ。パリ生まれのアンヌ・ケフェレックはパリ国立高等音楽院で学んだ後ウィーンに赴き、巨匠アルフレッド・ブレンデルに師事した。そして1968年にはミュンヘン国際音楽コンクールで優勝を飾り、翌年にはリーズ国際ピアノコンクールに入賞し、注目を集めた。以降は国際的な舞台で演奏活動を行い、日本でもラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンへの出演で多くのファンを魅了している。このプレイリストでは、高い評価を受けているドメニコ・スカルラッティやエリック・サティの音源をはじめ、バッハ、ヘンデルからモーツァルト、ベートーヴェン、ラヴェル、モンポウなど、幅広い時代の名曲でケフェレックの気品に満ちた演奏を堪能できる。