20世紀を代表する作曲家の一人、クルト・ワイル (1900-1950)。ドイツで生まれた彼は、父の影響で音楽の道へ。20代から作曲家として頭角を現し、代表作の "The Threepenny Opera(三文オペラ)" などを作曲した。これらの作品には大衆音楽の要素が大胆に盛り込まれ、ストーリーにも風刺が巧みにきいていたことから一世を風靡。だが、ヒトラーが政権を握るとフランスへ渡り、最終的にはアメリカに移住して市民権を獲得した。渡米後の彼は、ポップスなどを積極的に研究し、ヨーロッパ時代とは作風を大きく転換。ブロードウェイのミュージカルを中心に、華やかで喜びに満ちたヒット作を数多く生み出した。