イタリア・ジェノバ生まれのニコロ・パガニーニはバイオリン音楽史上、不世出の天才として名を残している。悪魔に魂を売ったと噂されるほどの超絶技巧バイオリニストだった彼は、自らの才能を最大限に発揮できる難曲を生涯にわたって書き続け、音楽の都ウィーンでパガニーニ旋風を巻き起こした。「Violin Concerto」や、バイオリンのあらゆる技巧が詰まったソロ作品の「24 Caprices」は、そうした彼の人となりがよくわかる傑作。若き日に彼の演奏を聴いて深く感動したリストは、ピアノのパガニーニになることを決意して道を歩み始めたというエピソードも残っている。