世界最高峰のオーケストラの一つ、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の芸術監督を1990年から2002年まで務め、世紀末から新世紀にかけてのクラシック音楽界をけん引したクラウディオ・アバド。1933年にイタリアの音楽一家に生まれた彼は、才能にも環境にも恵まれ、1959年に指揮者デビュー。ほどなく帝王ヘルベルト・フォン・カラヤンに認められてザルツブルク音楽祭でデビューを飾ると、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、シカゴ交響楽団、ミラノ・スカラ座管弦楽団などに客演を重ね、着実にキャリアを積み重ねていった。アバドは楽譜を緻密に分析し、それらを実に理論的で美しい音に変えてゆく。交響曲、協奏曲、オペラ、現代音楽と、多くの分野で新境地を拓き続けた彼の軌跡をたどることができる。