ブラジル出身のピアニスト、ネルソン・フレイレ。3歳でピアノを始めた彼は、5歳で初リサイタルを開催。リオデジャネイロ国際ピアノ・コンクールでは若干12歳でベートーヴェンの協奏曲第5番「皇帝」を披露し、居並ぶ審査員を驚嘆させた逸話を持つ。日本では、天才マルタ・アルゲリッチとの即興性豊かなピアノデュオで知られ、ラヴェルの「ラ・ヴァルス」を4手で演奏した録音は代表盤の一つ。だが、ソリストとしての彼の本領は、ショパンやグリーグなどの深い思索と詩的な作品で発揮される。2007年に発表し、グラモフォン賞の協奏曲部門を受賞したブラームスの協奏曲全集はその最良の成果の一つと言えるだろう。