1970年にアメリカのノースカロライナ州で生まれたJeremy Denkは、中世から現代を自由に行き来するクラシック音楽界のタイムトラベラーだ。リゲティとベートーヴェンを組み合わせたアルバム『Ligeti, Beethoven』も十分な意外性を持っているが、Denkの視野は中世にまで広がっているのだ。2019年のアルバム『c.1300-c.2000』では、ピアノはおろかハープシコードすら存在しない時代の楽曲をモダンピアノで奏でるところからスタートして、フィリップ・グラスにまでたどり着く、壮大な音楽の時間旅行を成し遂げた。このプレイリストでも15世紀のGilles Binchoisやジョスカン・デ・プレから、バッハ、ベートーヴェン、ショパン、リスト、ブラームスを経由してリゲティに至るDenkの幅広いレパートリーを、多彩で、繊細で、時にパワフルな表現で堪能することができる。