ピアノ協奏曲第4番 ト長調

Op. 58

ベートーヴェンの『ピアノ協奏曲第4番』は、すべてのピアノコンチェルトの中で最も偉大なものの一つだ。この革新的な作品が当時の聴衆に与えたインパクトはどれほどのものだっただろう。現代のリスナーは、ソリストがシンプルな主題を提示する冒頭部分に革命性を感じないかもしれないが、当時としてはほとんど前例がないものだった(モーツァルトが『ピアノ協奏曲第9番』で似たような気配を見せてはいるが)。また、緩徐楽章におけるピアノとオーケストラの掛け合いがオペラ的な雰囲気を醸し出しているのも、画期的で新鮮なことだった。ベートーヴェンは1804年に着手したこの作品を1806年7月には完成させていたのだが、初めての公開演奏は1808年の12月22日(異例なことに、同年の8月に楽譜が出版された後)にようやく行われた。『交響曲第5番』と『交響曲第6番』の初演も含まれていたこの日の演奏会は、数ある歴史的なコンサートの中でも最も有名なものの一つである。意外性のある冒頭の独奏の後、第1楽章は比較的慣習的な雰囲気を保ちながら進行するが、ここでソリストとオーケストラの間に築かれた密接な関係は、レチタティーヴォ風の弦のユニゾンと、それに応えるピアニストの慰めのフレーズが繰り返される第2楽章 「アンダンテ・コン・モート」 へと受け継がれていく。ブレイクなしで始まる終楽章の冒頭はハ長調だが、冒険的なハーモニーや進取的なピアノ演奏、そして音楽的な充足感に満ちた活気あふれる展開の中で、ト長調へと帰着する。

関連作品