白鳥の湖

Op.  20、TH 12

すべてのバレエ作品の中で最も人気が高いものの一つである『白鳥の湖』(1876年)は、チャイコフスキーが1871年の夏に、妹の子どもたちが踊るために書いたいくつかの魅惑的な小品に端を発している。その4年後、チャイコフスキーは、偶然にもボリショイ劇場から同じ物語に基づく長編バレエの作曲を依頼された。初演は1877年の2月20日に行われたのだが、ダンサーの負担が大き過ぎるという理由から、チャイコフスキーが書いたスコアの3分の1が事前に削除されてしまっていた。また、当時の観客はこのような圧倒的な情感を持つバレエ音楽を受け入れる準備ができておらず、この作品は大きな成功を収めるには至らなかった。さらに驚くべきことに、チャイコフスキーによるこの比類のなきスコアが、彼が当初意図していた形で正しく演奏されるようになるまでにはそれから1世紀近くもかかったのだ。『白鳥の湖』は、王子ジークフリートと、ある日彼が湖で出会った白鳥の群れの中から現れ、彼の目の前で白鳥から美しい乙女に変身したオデットの物語だ。彼女は悪魔であるロットバルトに魔法をかけられ、昼間は白鳥にされ、夜だけ人間に戻ることができるのだと説明する。場面は変わり、翌日の舞踏会。ここで花嫁を選ばなければいけなかったジークフリートは、客人の中にオデットを見つけて結婚を決めるのだが、それは魔法によってオデットに化けていたロットバルトの娘、オディールだった。悲嘆に暮れる王子。しかし、最後にはジークフリートとオデットの強い愛の力が、ロットバルトを破滅させる。

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