交響曲第41番 ハ長調

K. 551、KV 551、“ジュピター”

モーツァルトの最後の三つの交響曲、すなわち第39番、第40番、第41番が、作曲者の生前に演奏されたことを明確に示す記録は見つかっていない。しかし、モーツァルトが1788年の終盤に予定していたコンサートで、これらの交響曲の聴き比べをすることを想定していた可能性はある。確かに、これらの3作は、互いに補完し合いながらも、それぞれの個性が際立つように配慮されているのだ。『第40番』の完成からわずか16日間で書き上げられた『交響曲第41番』は、全体を通じて非常に晴れやかな気分にあふれており、壮大さの中に神々しいまでの技巧を輝かせている。モーツァルトと同時代の音楽家であるJohann Peter Salomonによる「ジュピター(ローマ神話の最高神)」というニックネームも、このような雰囲気とクオリティを象徴するべく付けられたものだったのだろう。第1楽章の「アレグロ・ヴィヴァーチェ」には、モーツァルト自身によるユーモラスなアリア「Un bacio di mano(手に口づけすれば)」の引用をはじめ、コミックオペラのメロディのモチーフやジェスチャーがふんだんに盛り込まれている。第2楽章「アンダンテ・カンタービレ」の冒頭で、弱音器を付けた弦楽器によって奏でられるソフトで落ち着きのあるメロディが与える印象は、モーツァルトの他の楽曲には見られないものだ。その後、ヴァイオリンと木管楽器によって奏でられるテーマに続いて、華やかさを増した旋律が陶然たるハーモニーに支えられ、繰り返され、豊かになっていくさまは、モーツァルトが新たな高みに達したことを示している。第3楽章「メヌエット」は実にシンフォニックなものとなっており、冒頭の下降するメロディがこの楽章のアイデンティティとなっている。疾走感のある第4楽章「モルト・アレグロ」は、1780年代のオーストリアで生まれた、フーガ的な終楽章のスタイルにのっとったものとなっており、シンプルな4音の主題は、ウィットとエレガンスにあふれた方法で、そして、比類なき対位法のスキルによって、他のテーマと見事に組み合わされている。

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