2002年に結成されたデンマーク弦楽四重奏団(Danish String Quartet)は、鮮烈な音像が印象的な気鋭の弦楽カルテット。本作での彼らは、アルバムタイトルが示している通り、バッハからベートーヴェンへ、そしてさらにその後に続いた偉大な作曲家たちによって受け継がれてきた音楽的遺産が、プリズムを通過する光のように変化し分散しながら進化していく様子を描いている。アルバムはモーツァルトが編曲したバッハのフーガで幕を開け、対位法を用いた物悲しく瞑想的なショスタコーヴィチの作品へとなだれ込む。ベートーヴェンが晩年の1825年に書いた「弦楽四重奏曲第12番」での、物語を丁寧に描き出すような表現も見事なもの。「Prism I」と題されたこのプロジェクトの今後への期待も高まる意欲的な第1弾。
作曲者
弦楽四重奏