奇才指揮者フランソワ=グザヴィエ・ロトと、彼が率いるピリオド楽器(楽曲が生まれた当時の楽器)を用いた気鋭のオーケストラ、レ・シエクルは、20世紀初頭に書かれたフランスの管弦楽曲の探究を続けている。このアルバムで取り上げたのは、ドビュッシーによる「牧神の午後への前奏曲」、「遊戯」、「夜想曲」という、いずれもスケール感あふれる名曲。冒頭を飾る「牧神の午後への前奏曲」が始まった瞬間、リスナーはマリオン・ラリンクールが奏でる1900年製のフルートの響きに耳を奪われるだろう。現代のフルートと比較して、ややくぐもった印象を与える滋味深い音色は、私たちをベルエポックのパリへと誘ってくれる。バレエ音楽「遊戯」では、ロトがレ・シエクルから大きな音のうねりを導き出し、ニジンスキーやカルサヴィナといった当時のダンサーたちが踊る姿を想像させる。「夜想曲」の第2曲「祭り」の鮮やかさも見事。
作曲者
オーケストラ
指揮者
コーラス、合唱団