ポリーニにとってショパンの音楽は、彼の人生の一部ともいえるもの。演奏家として最大の契機となった1960年のショパン国際コンクールでの優勝以降、彼は数多くのショパンの作品を演奏会やレコーディングで取り上げてきた。78歳を迎えた彼が、このアルバムでは古典的な楽式と美しさをたたえた「ピアノ・ソナタ第3番」を中心に、作品番号が連なる夜想曲、マズルカ、子守歌を演奏している。すでに巨匠となったポリーニのショパンは深く厳かで、いたずらに感情を発露しない。ショパンという作曲家を詩情だけに頼らず、知性的な解釈で厳格に表現する姿勢からは孤高のピアニズムが感じられ、ショパンへの真の愛情が伝わってくる。
作曲者
ピアノ