75歳の誕生日を目前にしてリリースされた本作「Piano」で、カール・ジェンキンスは、コンポーザーとしてのみならずピアニストとしても魅力的なプレイヤーであることを証明してみせた。収録曲は、ミサ曲"The Armed Man"や、"Requiem"、そしてあまりにも有名な"Adiemus(聖なる海の歌声)"といった彼のキャリアを代表する名曲の数々。それらの楽曲を、自らのシンプルなソロピアノで奏でることで、時には寄り添うように、時には曲の持つ本質がくっきりと浮き上がるように、新たな魅力を引き出している。現役最高峰の作曲家の一人である彼は、どこか紳士的で穏やかな雰囲気を伴って、優しいメロディと、心を溶かす美しいハーモニーを有する楽曲を流れるように演奏する。ピアノの誠実な音色が心に響き渡る本作は、偉大な作曲家に親しみを感じることのできる、ファンにとって最高のプレゼントといえるだろう。
作曲者
ピアノ