激流のようにほとばしるピアノのフレーズ、スリリングなインタープレイ、衝撃的なオーケストラサウンド。ブライス・デスナーの手による「Concerto for two pianos」はカティアとマリエルのラベック姉妹のために書かれた協奏曲で、2人はエネルギッシュな演奏でデスナーの思いに応えている。ジョン・アムダズ、スティーヴ・ライヒ、ストラヴィンスキーなどの作曲家からの影響も感じさせるこの作品は、2010年代に生まれた協奏曲の中で最もエキサイティングなものの一つといえるだろう。デスナーは米国のオルタナティブロックバンドThe Nationalのギタリストとして活躍するアーティストで、このアルバムの収録曲はすべて彼自身が作曲したもの。アルバムの中核を成す楽曲"Haven"ではギターを奏で、2台のピアノと2本のエレクトリックギターというレアなアンサンブルで新鮮な響きを生み出している。タイトル曲の「El Chan」は音楽で物語を表現する彼の類い稀な才能を示す組曲である。