1731年に初演され、1744年に再演されたバッハの「Markus Passion(マルコ受難曲)」。その楽譜は失われ、作品の内容は長い間謎に包まれていた。しかし近年になり、再演の際に作成された全歌詞を掲載した冊子がサンクトペテルブルクで発見され、それ以来この作品を蘇生するための研究が続けられてきた。その成果が詰め込まれた本作では、ホルディ・サバル率いる気鋭の楽団と歌手たちが、ドイツのハープシコード奏者で音楽学者のアレクサンダー・グリヒトリークによる調査結果をベースに、失われた受難曲の全貌を再現している。音楽はすべてバッハの手によるもので、残されている2つの受難曲を含め、他のバッハの楽曲から引用された。サバルの音楽的直観と情熱はこの楽曲に再構築版という枠を超えた新たな命を吹き込んでいる。
作曲者
指揮者
アンサンブル、オーケストラ
声楽アンサンブル