

米国の作曲家John Luther Adamsは、海面上昇や氷河の融解がもたらす危機にスポットライトを当てた2013年の管弦楽曲"Become Ocean"でピューリッツァー賞を授与された。本作でAdamsは40分に及ぶ単一楽章の作品"Become Desert"で、乾ききった大地へとリスナーをいざなう。曲はうだるような暑さや、夜明けとともに一瞬で蒸発してしまう朝露、風が止まってしまった世界を音で表現。楽曲は5つのアンサンブルと合唱からなり、それぞれのアンサンブルが異なる速さで進行する。曲は次第に膨張し、クライマックスでは熱波を思わせる管楽器の音のかたまりが、息苦しいほどに迫ってくる。やがて聞こえる終盤の小さなベルの音は地平線の向こうに沈みゆく夕陽のようであり、全ての音が消え去る時、ひとときのやすらぎである夜が訪れる。
2019年6月14日 1トラック、40分 ℗ 2019 Cantaloupe Music