7作目となる本作によって、シドニー出身のピアニストで作曲家のSophie Hutchingsは、詩情豊かな感性とビジョンをもった音楽家であることがさらに印象付けられたのではないだろうか。この『Scattered on the Wind』には、彼女のパソコンのハードドライブに隠されていた旧作の再アレンジや新しい作品など、運命の力を信じる方法を探るような音楽に彩られている。Hutchingsが奏でる旋律は親しみがあり心地よく、温かな抱擁のように人をやさしく包みこむ一方、予期せぬ新たな展望にも光を当てている。2部構成になっているタイトルトラックは互いが反射鏡となり、サウンドからは強く光の輝く瞬間が感じられるかのようだ。アルバム全体を通じて、オーストラリアの風景に対する彼女の愛情とつながりが反映されており、自然でゆっくりとした感覚があふれている。