セザール・フランクのピアノ曲のみでつづられるアルバムは希少かもしれない。加えて、ロシアの気鋭のピアニスト、ニコライ・ルガンスキーが本作に込めたフランクへの共感も他に類のないものだろう。ルガンスキーはこのアルバムに、フランクのお気に入りだった3つの楽章から構成される様式を持つ作品を3曲収録している。最も親しまれているのは「Prelude, Choral et Fugue」だろう。素晴らしい響きのスタインウェイを操るルガンスキーの演奏は素敵なファンタジー感覚にあふれたもので、端々に楽曲への深い愛が感じられる。リストのような雰囲気を持つフランク最後のピアノ曲「Prelude, Aria et Final」でのルガンスキーは天賦の才能を存分に発揮しリスナーを魅了する。