交響曲の弦楽四重奏版であれ、ピアノ曲のオーケストラ版であれ、優れたアレンジはいつもオリジナル楽曲に新鮮な響きを与えてくれる。美しく魅惑的な演奏にあふれたこのアルバムでは、フランスのピアノ三重奏団Trio Karénineが19世紀後半の3つの名曲を取り上げて、想像を超える新たな色合いとドラマを生み出している。シューマンがペダルピアノ(低音の鍵盤を足で演奏するピアノ)のために書き、現在では通常パイプオルガンで演奏される『6 Studien』は、室内楽の様式を取ったことで広がりと情熱を感じさせてくれる。シェーンベルクによる男女の愛を描いた新ロマン主義の音詩『Verklarte Nacht(浄められた夜)』はもともと弦楽六重奏のために書かれたもので、オーケストラ版が最もよく知られているが、ここではスリムな編成で演奏されている。ピアノがオーケストラのテクスチャを請け負い、バイオリンとチェロがシェーンベルクの美しい旋律による対話に専心することで、全く新しい印象を与えている。また、「Vallée d’Obermann(オーベルマンの谷)」のリスト自身による知られざるピアノトリオ版「Tristia」は、Trio Karénineの素晴らしい演奏によって改めてその魅力を輝かせている。
作曲者
室内音楽アンサンブル