グラミー賞に輝いたスペインのギタリストMabel Millánは19世紀から20世紀まで150年間にわたるギター音楽の歴史を旅するこのアルバムで、並外れたテクニックとともに、微妙なニュアンスと深い情感を表現する天賦の才能を惜しみなく披露している。冒頭を飾るホアキン・マラッツの「Serenata Española」では繊細な装飾音と急速なパッセージを平然と弾きこなすMillanにひきつけられ、続くエドゥアルド・サインス・デ・ラ・マーサの「Campanas del alba」では鈴の音のような美しいメロディを紡ぐ完璧な精度のトレモロに驚かされる。ドラマチックかつ演奏者への技術的要求が高いホアキン・トゥリーナの『Sonata in D Minor』でも、Millanは情感にあふれ、魂のこもった演奏を披露している。カステルヌオーヴォ=テデスコによる「Capriccio diabolico」は、伝説的なバイオリニストであると同時に優れたギタリストでもあったパガニーニへの、耳に心地よいオマージュ。さらにブローウェルやポンセ、そして“ギターのベートーヴェン”ことフェルナンド・ソルの名曲も加わり、魅力的なリサイタルが構築されている。