モーツァルトの卓越した2つの後期ピアノ協奏曲を、ピアニストJeremy Denkとセント・ポール室内管弦楽団の29人の奏者が、親しみやすさとシンフォニックな荘厳さのバランスを完全に保って演奏する。長調と短調が揺れ動くような『ピアノ協奏曲第25番』の冒頭は、はかなさや哀愁、軽快なユーモア、オペラのようなドラマ性など、さまざまな雰囲気を内包しており、モーツァルトの協奏曲の中でも最も豊かな楽章の一つ。Denkのピアノタッチは、特筆すべき音響による録音もあって、どの作品にも活力が宿る。『第25番』終楽章では美しくも流麗、『第20番』のドン・ジョバンニ風の第3楽章では陰影に富んだ表現を聴かせる。Denkの優れた芸術性に完璧に寄り添う、セント・ポール室内管弦楽団のアンサンブルも印象的だ。
作曲者
オーケストラ
ピアノ、指揮者