香り高く美しいバラが最盛期を過ぎ花びらを落とし始める様子を想像してみてほしい。このアルバムのプログラムは、まるでそんな瞬間を目の当たりにした時に生じる心の動きを表しているかのよう。現代音楽を親しみやすい表現で聴かせることで高い評価を受けるカナダの気鋭のソプラノ歌手バーバラ・ハニガンと彼女のレギュラーパートナーであるピアニストのラインベルト・デ・レーウは、マーラーやクリムト、フロイトといった知の巨人たちが独特の世界観を生み出した世紀末ウィーンへのイメージトリップにリスナーを誘ってくれる。本作で2人が歌い奏でるのは、シェーンベルク、ベルク、ヴェーベルン、ヴォルフ、ツェムリンスキー、そしてマーラーの妻で作曲家だったアルマ・マーラーらの歌曲。それぞれの楽曲の奥深さを存分に味わうことができ、同時に全体を包み込むような幻想的な雰囲気にたっぷりひたることができる。
ソプラノ
ピアノ
作曲者