輝くばかりに美しい歌声を愛する人にとって、そして、今は亡き偉大なソプラノ歌手ジェシー・ノーマンのファンにとっては言うまでもなく、本作は永遠の宝物となるだろう。1986年にロンドンでライブ録音されたこのアルバムでは、絶頂期のノーマンが、リヒャルト・シュトラウスの芸術の2つの側面、つまり叙情性と劇的な部分を表現している。熱狂的な「Cäcilie」で始まる冒頭の5曲はシュトラウスの最も愛されてきた歌曲で、ノーマンの高貴な歌声が余すところなく発揮されている。楽しさあふれる『Le Bourgeois Gentilhomme Suite(組曲『町人貴族』)』の後に待っているのは、『サロメ』の最後のシーン。ノーマンは絶妙にコントロールされた歌唱で、主人公サロメの恐るべき魔性をパワフルに表現している。アルバムは、クラウス・テンシュテットとロンドン・フィルハーモニー管弦楽団が最高のパートナーであることを証明している。
作曲者
オーケストラ
指揮者
ソプラノ