BBCヤング・ミュージシャン・オブ・ザ・イヤー2020の弦楽器部門を制したCoco Tomita(富田心)の輝かしいデビューアルバム。この新星バイオリニストがストラディヴァリウスで奏でるのは、主に20世紀初頭に書かれたバイオリンとピアノのための名曲だ。フランシス・プーランクとモーリス・ラヴェルのソナタは、それぞれの個性の違いが明確に打ち出されており、各々の楽曲の魅力を存分に感じることができる。それはTomitaとピアニストのSimon Callaghanが、これらの作品の風変わりで補完的な本質を見事にとらえているからだろう。特にラヴェルのバイオリンソナタの第2楽章「Blues」の出来栄えは際立っている。シズル感にあふれたイェネ・フバイの「Carmen Fantaisie」、愛らしいリリシズムを漂わせるリリー・ブーランジェの「Nocturne」、リスナーを誘惑するように舞うジョルジュ・エネスコの無伴奏曲「Impressions d’enfance」も素晴らしい。そして、ヤッシャ・ハイフェッツの編曲によるクロード・ドビュッシーの「Beau soir」は気だるくも心地よいエピローグとなっている。
ピアノ
ヴァイオリン
作曲者