ドイツの名バイオリニストCarolin Widmannが、たった一挺のバイオリンを手に、1,000年の音楽旅行へと私たちをいざなう。アルバムの幕開けを飾るのは、12世紀ドイツのヒルデガルド・フォン・ビンゲン作の心に染みるアンティフォナ「Spiritus sanctus vivificans vita」。元々は声楽曲だが、Widmannはこれをごく自然にバイオリン曲へと移行させ、自らがこの旅の素晴らしきパートナーであることを印象付ける。ジョルジュ・エネスコによるドラマチックな「Fantaisie concertante」やウジェーヌ・イザイの『Sonata No. 5』、George Benjaminの『Three Miniatures』などの楽曲は、Widmannの高い表現力を存分に引き出すもので、彼女はこれらの曲を素晴らしい集中力でパワフルに奏でている。そして言うまでもなくバッハの遺産は永遠にその輝きを失わない。『Violin Partita No. 2』は史上最高のバイオリン曲の一つであり、Widmannとの感動的な旅は「Ciaccona」で大団円を迎える。
作曲者
ヴァイオリン