20世紀の初頭に活躍した新ウィーン楽派と呼ばれる作曲家たちの音楽に対するリスナーの反応は、大きく二分される。ある人たちがその先鋭性や革新性に強く引かれる一方で、これまで受け継がれてきたメロディやハーモニーの伝統の放棄と感じる人たちもいるのだ。このHeath Quartetの魅惑的なアルバムには、新ウィーン楽派の中核を成した3人の作曲家の楽曲が収録されている。アルバン・ベルクの『String Quartet, Op. 3』のオープニングは“難解”という印象とは程遠く、とりわけバイオリンが甲高い音を発する場面は叙情的で、歌心にあふれている。アントン・ヴェーベルンの「Langsamer Satz」はむしろ親しみやすく、温かみのある曲調が印象的だ。アーノルド・シェーンベルクによる幽玄なフィナーレ『String Quartet No. 2』では、ドイツの詩人シュテファン・ゲオルゲの詩が引用されている。ソプラノ歌手のキャロリン・サンプソンは、詩中にある“別の惑星からの空気”を吸って歌うかのような、美しい旋律と言葉を響かせる。
作曲者
弦楽四重奏
ソプラノ