ヴィヴァルディが18世紀のヴェネツィアで随一の作曲家であることは、その有り余るほどの創作力が物語っている。Amandine Beyerが率いる進取の気性に富んだ古楽器アンサンブル、Gli Incognitiが8つの協奏曲の数々を演奏し、作曲家の偉業を証明する。アルバムのタイトルは、複数の奏者のための『Il Mondo al rovescio(逆さまの世界)』から取ったもので、最も低い音域の楽器が最も高い音域の楽器のパートを担うことも、またその逆も自由自在であり、何一つ当たり前のことはないという具合だ。『Concerto for Violin and Oboe in G Minor, RV 576』(トラック12-14)の耳に残る空間的な効果、『Concerto in F Major, RV 572』(トラック21-23)の騒々しい狩りの声や擬音的な鳥のさえずり、さらに『Flute Concerto in E Minor, RV 432』(トラック4-5)では、合奏団は完全に姿を消し、第2楽章ではフルートの独奏者が低声部の上を即興で演奏する。Gli Incognitiはすべての瞬間を楽しみながら、才気あふれる奔放さで素晴らしいアンサンブルを繰り広げている。