アフリカ系イギリス人の作曲家、Samuel Coleridge-Taylorのカンタータ3部作『Hiawatha』は、1920年代から30年代にかけて毎年ロンドンで何千人ものアマチュア歌手によって上演された。この作曲家のほかの作品が今日、ついに脚光を浴びようとしている。黒人と少数民族によるチネケ!オーケストラは、艶やかな『African Suite』(1898年)や心に響くトランペットソロが印象的な「The Willow Song」を含む、パン・アフリカ主義の理想に触発された『Othello』(1909年)、『Nonet』(1894年)など、英国王立音楽院に在学中のColeridge-Taylorが書いた作品を主体に惜しみなく紹介する。アルバムで最も目をひく『バイオリン協奏曲ト短調』は、Kevin John Eduseiの共感に満ちた指揮の下、エレナ・ウリオステとチネケ!が深い感銘を与える演奏を披露。ラプソディ風の緩徐楽章では、その優美なメロディと感情の揺らぎを魅力的な感性でとらえ、最高の状態へと押し上げる。また、Taylorの娘で同じく優れた作曲家、Avril Coleridge-Taylorの情緒ある管弦楽組曲『Sussex Landscape』を、世界初録音にて収録している。
作曲者
オーケストラ
指揮者