「私は長年ヴォーチェス8のファンであり、ずっと何かを一緒にしたいと願っていました」と、Apple Musicに語るエリック・ウィテカーは、このアルバムでついにその思いをかなえることができた。ウィテカーは合唱曲を得意とするアメリカの人気作曲家であり、本作もすべて彼の手による楽曲から成っている。世界初録音の「All Seems Beautiful to Me」は、19世紀アメリカの詩人ウォルト・ホイットマンの詩に基づいた崇高な作品。「Sing Gently」は、ロックダウンのさなかだった2020年にバーチャル合唱団のプロジェクトのために書かれたものだ。そして『The Sacred Veil』は、ウィテカーの親友で合唱曲の共同制作者でもある詩人、チャールズ・アンソニー・シルヴェストリが、まだ若かった妻の死についてつづった愛と喪失の詩を美しい音楽へと昇華させた大作となっている。またアルバムの冒頭を飾る「Go, Lovely Rose」は彼が1990年代の初頭に書いた楽曲だ。つまり、このアルバムのプログラムは、過去30年間のウィテカーの歩みを象徴するものでもあり、これらの曲がヴォーチェス8によってレコーディングされたことは、作曲家にとっても、リスナーにとっても幸せなことだといえるだろう。
作曲者
指揮者
合唱団、声楽アンサンブル
ピアノ
チェロ