Ligeti: Six Bagatelles, Chamber Concerto & Ten Pieces for Wind Quintet (Live) [Remastered]

指揮者フランソワ=グザヴィエ・ロトと彼が率いる俊英アンサンブル、レ・シエクルは、楽曲の本質を浮き彫りにするアプローチで高い評価を得てきた。その特長は、ハンガリーの前衛作曲家リゲティ・ジェルジュの作品を取り上げた本作でも、ラヴェルやストラヴィンスキー、ドビュッシーの楽曲をレコーディングした時と同じように、うまく機能している。『Six Bagatelles for Wind Quintet』の第1曲での演奏は目を際立って正確で切れ味鋭いものとなっており、第3曲はまるで無邪気に駆け回る子どもたちの様子を表現しているかのようだ。『Chamber Concerto』の奇妙でほの暗い世界は、ロトのシャープな質感のある演奏によって鮮明に浮かび上がる。また『Ten Pieces for Wind Quintet』の一見支離滅裂にも思えるパターンは、怒りをぶつけるかのような激しさと迫真性をもって奏でられている。レ・シエクルによる並外れて生き生きとした解釈が、これらの楽曲の一つ一つの小節に新たな命を与えているのだ。