鈴木雅明と彼が率いる俊英バロックアンサンブル、バッハ・コレギウム・ジャパンがバッハのモテットを初めて録音した時、彼らはすでに10年以上もの間、バッハのカンタータのレコーディングを続けていた。そんな彼らの豊かな経験とバッハの楽曲を歌うことに対する大きな喜び、そして、全身全霊をかけて演奏に取り組む高い精神性は、一つ一つの小節にはっきりと刻み込まれている。合唱団は、『主に向かって新しき歌を歌え(Singet dem Herrn)』や『聖霊はわれらの弱きを助けたもう(Der Geist hilft unser Schwachheit auf)』のように超人的ともいうべきテクニックを要する曲を難なくこなし、葬送モテット「O Jesu Christ, meins Lebens Licht」には深い思いやりの気持ちを注ぎ込む。また、独創的な『イエス、わが喜び(Jesu, meine Freude)』においては、繊細なフレージング、アーティキュレーション、ダイナミクスを総動員して対位法による複雑な旋律を生き生きと表現し、各楽章が持つ光と影を見事に描き出している。
作曲者
指揮者
合唱団、オーケストラ