ブライス・デスナーはアメリカのインディーロックバンド、The Nationalのギタリストであり、パリ管弦楽団やロサンゼルス・フィルハーモニー管弦楽団からの委嘱に応じるクラシックの作曲家であり、多くの映画音楽も手掛ける異才の音楽家だ。本アルバム『Solos』は、アーティストからの委嘱作品からサウンドトラックに由来する作品まで、彼のキャリアの中から無伴奏による独奏楽器のための作品を集めたもの。管弦楽や室内アンサンブルなど、さまざまな編成で多彩なサウンドを繰り広げるデスナーが、1台の楽器によってどのように音楽を描くのか興味深い。ピアニストのカティア・ラベックによる美しいノクターン風の「Lullaby for Jacques et Brune」をはじめ、研ぎ澄まされた音色が光るチェロ奏者アナスタシア・コベキナの「Song for Ainola」、ミニマルミュージックの影響が感じられるヴァイオリニストのペッカ・クーシストによる「Ornament and Crime III」など、穏やかさと激しさを併せ持つデスナーの心地よい音楽を味わえる。デスナー自身も2曲でガットギターを演奏している。