現代アメリカの作曲家Margaret Brouwerは、愛や自然、さまざまな社会問題などをテーマにした音楽を生み出し、魅惑的なハーモニーを生かした高い描写力によって、リスナーの想像力をかき立てる。オーケストラからの委嘱も多く、数々の音楽賞も受賞してきた。このアルバムには、1997年から2020年代初頭にかけて書かれた作品が収録されている。1997年作曲の『Symphony No. 1 “Lake Voices”』では、彼女が幼い頃を過ごしたオランダ系アメリカ人のコミュニティで耳にしていたオランダの賛美歌のメロディや、湖の風景を思わせるきらめくような響きを繰り返し聴ける。2009年に書かれ2021年に改訂された『Rhapsody, Concerto for Orchestra』では、さまざまな楽器奏者に卓越した演奏力を披露する場が与えられ、色彩豊かな音世界が展開される。1997年の「Pluto」(冥王星)は、ホルストの名作『惑星』の続編として作曲された。2020年の「The Art of Sailing at Dawn」は夜明けの航海を、そして、2010年の「Path at Sunrise, Masses of Flowers」は朝に咲く花々を、イメジネーション豊かに描いている。同じアメリカ出身の名指揮者マリン・オールソップが指揮するウィーン放送交響楽団の演奏も、作曲家に対する敬意にあふれた見事なものだ。