長い音符の旋律と、ゆっくり変化していく繊細につむがれた和声が、穏やかで優しい音世界を描き出す。ジュディス・ウィアーは2014年に、400年に及ぶ歴史を持つMaster of the Queen’s Music(女王の音楽師範)に任命されたことを例に出すまでもなく、現代のイギリスを代表する作曲家の一人として高い評価を受けている。ウィアーが2008年に作曲した「Still, Glowing」は、自身のオペラ『The Vanishing Bridegroom』の音楽の中にある和声進行を基にした、弦楽、フルート、クラリネット、そして、鍵盤打楽器のための作品だ。「今までで唯一、私がアンビエントミュージックの作曲に挑戦した楽曲です」と彼女が語る通り、この曲はリスナーを夢見心地の世界へといざなってくれる。フィンランド出身の気鋭の指揮者ダリア・スタセフスカが率いるBBC交響楽団による演奏も楽曲に対する敬意にあふれたものだ。