カナダの作曲家Howard Shoreが手掛けた、ピーター・ジャクソン監督による壮大な映画『ロード・オブ・ザ・リング』3部作のサウンドトラックには、明らかにワーグナー的な冒険心と輝きが含まれている。この3作品は、いずれもShore自身が作曲、採譜、指揮を担当したものだ。『The Fellowship of the Ring(旅の仲間)』は3部作の第1作で、ホビット族のフロド・バギンズが指輪を受け継ぎ、最初に鍛造された場所でこれを破壊する旅に出るというストーリー。Howard Shoreの音楽は、ホビットの村シャイアの緑の谷にアイルランド民謡を思わせる楽曲を添えるところから始まり、その後の苦難の道のりを、豊かな弦のテクスチャ、幽玄な声楽のメロディ、そして、登場人物やムード、ポイントとなる場所を描写する“ライトモティーフ(短い旋律)”を繰り返し使いながら表現していく。中でも最も広く知られているのは、3作品すべてに登場する『ロード・オブ・ザ・リング』のテーマだろう。Howard Shoreはこの『The Fellowship of the Ring(旅の仲間)』でアカデミー賞®とグラミー賞を受賞し、最終作の『The Return of the King(王の帰還)』の音楽でもアカデミー賞®を受賞した。