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- 2010 · ヒリヤード・アンサンブル、ポール・ヒリアー
ヨハネス・オケゲム
シングル&EP
バイオグラフィー
ルネサンス期の合唱音楽に最も大きな影響を与えた作曲家の一人と見なされているヨハネス・オケゲムは、ポリフォニーのスタイルを革新し、フランドル楽派の声楽的対位法をより豊かで複雑な領域へと昇華させた。オケゲムの人生については不明な点が多いが、研究者たちは、1410年ごろに生まれ、アントワープの聖母大聖堂で歌手として活動した後、教会や、シャルル7世、ルイ11世、シャルル8世の宮廷で、さまざまな要職に就いていたと推測している。オケゲムの作品は、宗教曲も世俗曲も、通常3声または4声から成っており、当時としては珍しく、既存の素材を用いず、長大で自由に書かれたメロディを有することがしばしばあり、技術的な困難さも特徴の一つとなっている。また、動きのあるベースラインを時折潜ませている点も、特筆すべきであろう。ルイ11世の宮廷に仕えていた時期には定期的にミサ曲を書くようになっており、1461年には現在知られている中で最初のポリフォニックなレクイエムである『Missa pro defunctis』を作曲している。このレクイエムのような壮大な作品において、オケゲムは実験的に複雑な形式を用いており、例えば15世紀の後半に書かれた『Missa prolationum』においては、華麗で入り組んだ旋律によって作品全体を貫くカノン形式を曖昧にしている。現在確認されているオケゲムの作品は、おおまかに14のミサ曲、10のモテット、そして20の世俗歌曲と、決して多くはないが、1497年にこの世を去った彼の作品が持つ幽玄さや、調性音楽の誕生以前の和声が有する不思議な響きは、現在においても斬新で驚異的なものだ。