リゴレット

若くハンサムで好色なマントヴァ公爵。彼に仕える醜い道化師リゴレット。リゴレットは、無垢(むく)な娘ジルダと暮らしていることを隠している。そしてジルダが公爵の目に留まってしまった時、登場人物たちの間に渦巻く恨み、呪い、陰謀が暴走し、恐ろしい悲劇が生まれてしまう。ヴェルディのオペラ『リゴレット』の原作となったのはヴィクトル・ユーゴーの戯曲『王は愉しむ』で、この劇は1832年にフランスで初演されると物議を醸し、直ちに上演禁止処分を受けた問題作だった。オペラの脚本を担当したピアーヴェは、検閲官とのトラブルを避けるため、舞台を中世のイタリアへと移すなどの改変を加えている。『リゴレット』は1851年の3月にベネチアで初演され、大成功を収めた。ヴェルディは、公爵が歌うあまりにも有名な「La donna è mobile(女心の歌)」、ジルダによるピュアなアリア「Caro nome(慕わしい人の名は)」、リゴレットの復讐心が燃え盛る「Cortigiani, vil razza dannata! (悪魔め、鬼め)」などの曲で、それぞれの感情の核心を見事に表現している。またヴェルディが、第3幕の四重唱「Bella figlia dell’amore(美しい恋の娘よ)」で、避けがたく、かつ衝撃的な結末に向けて緊迫感を醸成していくさまも見事なものだ。

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