交響曲第3番 ヘ長調

Op.  90

ブラームスは、1883年の夏を温泉地として知られるヴィースバーデンで過ごし、『交響曲第3番』の作曲に精力を注いだ。世界初演は同年の12月にウィーンで行われている。この極めてパーソナルとされる作品に関するブラームスの意図については、多くの議論がある。彼の親しい友人の多くは、隠されたプログラムがこの交響曲が持つ情感の軌跡を生み出していると主張した。一方でブラームス本人は、この作品に音楽以外の意味合いを持たせようとする動きに徹底して抵抗した。しかしながら、最初の二つの楽章の印象的な楽想の数々が、完全にキャラクターを変えてフィナーレに再び現れるという事実は注目に値する。おそらくこれらの中で最も強力なのは、木管楽器と金管楽器で奏でられる大きな波のような二つの和音が、ヴァイオリンの力強く躍動的な主題のためのパワフルな発射台としての役割を果たす冒頭の部分だろう。この楽想は激しさを増しながら第1楽章を通じて繰り返されるのだが、楽章の終結部では静けさの中で消え入るように奏でられる。中間の二つの楽章はより内省的なものとなっており、その性格は心の奥深くにある切ない思いを静かに語るような第3楽章「ポコ・アレグレット」において顕著だ。終楽章では第1楽章の葛藤がさらに熱を帯びていくのだが、その後は神秘的で内気な雰囲気のコーダへと進んでいき、再び現れる第1楽章の第1主題とともに、交響曲は静けさと安心感に包まれて幕を閉じる。

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