もしヘンデルが18世紀中盤におけるロックスター的なオペラ作曲家だったとするならば、250年後の現代におけるヘンデルに相当する作曲家はフィリップ・グラスかもしれない…。少し強引なたとえと思われるかもしれないが、ヘンデルとグラスを一つのアルバムに収録するという本作のアイデアは、ただ好奇心をそそるだけではなく音楽的にも大きな成功を収めており、この2人の大作曲家の意外な共通点に光を当てるものだといえるだろう。カウンターテナー歌手アンソニー・ロス・コスタンツォの豊かな響きの歌声と大胆な表現は、ヘンデルの甘美な旋律とグラスの強烈なリズムを自然に結合させ、両者を包み込む。市川海老蔵との共演でクラシック音楽と歌舞伎の融合をも試みたコスタンツォらしい挑戦が生んだ、オペラ界に大きな刺激を与える作品。
作曲者
指揮者
アンサンブル