ドイツ・グラモフォンからリリースされたフランスのピアニスト、シモン・グライヒーのセカンドアルバムは、彼自身の非常にパーソナルな内面を反映させた内容になっている。このアルバムタイトルも、レコーディング当時の彼の年齢を表しているという。海辺にたたずむ苦悩する女を描いたアルカンの作品は、自身が幼少時に抱えていた水への恐怖を和らげるものであり、さまざまな感情の交差を表現したシューマンの"Humoreske"では、グライヒーの深い自己観察が繰り広げられる。映画『トゥルーマン・ショー』からのフィリップ・グラスの"Raising the Sail"や、マイケル・ナイマンの"Time Lapse"といったミニマルミュージックに彼が自己投影している点も興味深い。さらにシマヌスキによる美しい2つのエチュード、シューマンが作曲したベートーヴェンの交響曲第7番"Allegretto"の主題による変奏曲によって、グライヒーの内省的な音楽の旅が締めくくられている。