このアルバムは、時を超えて2人の英国の作曲家を結びつける。20世紀イギリスを代表する作曲家の一人、ベンジャミン・ブリテンと母国の先達である17世紀終盤の作曲家、ヘンリー・パーセル。ブリテンはパーセルの作品を多く編曲し、本作に収録されているブリテンの "String Quartet No. 2" は、1945年にパーセルの没後250年を記念して書かれたオマージュだ。ニューヨークを拠点に旺盛な活動を続けるエマーソン弦楽四重奏団は、安定感の中に繊細さとみずみずしさが光る演奏で、この2人の偉大な作曲家の楽曲を紡ぎ上げている。まるで、英国音楽にまつわる一篇の小説を読んでいるかのような、物語性を感じさせる作品。
作曲者
オーケストラ、弦楽四重奏