ベンジャミン・ブリテン

バイオグラフィー

作曲家/指揮者/ピアニストとして活躍したベンジャミン・ブリテンは、1913年にイギリスのローストフトで生まれ、その後サフォークの海辺の町を創作の拠点とし、1948年にはそこでオールドバラ音楽祭を発足させた。オーケストラ作品や室内楽曲の巨匠でありながら、声楽曲の作曲家としても実に優れていた。パートナーだったテノール歌手サー・ピーター・ピアーズとの協力関係の中で、『Serenade for Tenor, Horn & Strings』(1943年)をはじめとする20世紀屈指の歌曲を生み出し、1945年には『Peter Grimes』でイギリスオペラ復活の口火を切った。より多くのオーディエンス、とりわけ子どもたちを取り込むことを音楽家人生のテーマとし、その思いは、『The Young Person’s Guide to the Orchestra』(1945年)に代表される人気の作品や、個性的でありながらも、基本的には調性を持つ親しみやすい音楽性によって成就された。後年には、若い男性の歌声に魅了されたことから生まれた『Billy Budd』(1951年)や『The Turn of the Screw』(1954年)、あるいは平和主義を強く支持する思いを込めた『War Requiem』(1961年)など、個人的、社会的な関心事を作品に描き出した。ブリテンは自作の録音という貴重なレガシーを遺し、1976年にこの世を去った。