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- 2023 · フランツ・ウェルザー=メスト、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
バイオグラフィー
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(以下ウィーン・フィル)は、1933年にクレメンス・クラウスが去って以来、首席指揮者を置かない姿勢を貫いている。これは世界的な名門オーケストラとしては珍しいことだ。その代わりに、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、ブルーノ・ワルター、ヘルベルト・フォン・カラヤンといった著名な客演指揮者たちを次々と起用し、彼らと共に磨き上げた美しいサウンド、そして極めて高い表現力と演奏技術によって、最上級の評価を得てきたのである。ウィーン・フィルは、ウィーン国立歌劇場管弦楽団のメンバー によって1842年に設立され、当初から自治機関であった。その歴史の初期にブラームスやブルックナーの交響曲を初演したこのオーケストラは、今日まで、ドイツ・オーストリア音楽の演奏においてトップの熟練度を誇っている。1939年にスタートしたウィーンでのニューイヤー・コンサートはテレビで中継されるようになって以来、世界中の何百万人ものオーディエンスを魅了するイベントとなっている。一方では、第2次世界大戦中のナチスとの関係や、初めて女性の演奏家が入団したのが1990年代も終盤に差し掛かってからだったことなどが論争の的になっているが、ウィーン・フィルはライブパフォーマンスや数多くのスタジオレコーディングにおいて、高い品格と洗練された雰囲気を示しており、世界のオーケストラにとっての規範であり続けている。